さて、本体の外観を一通り見たところで、今回はコントローラーについて触れたいと思います。
Switchの特徴的な要素である「Joy-Con」ですが、これホントによく考えられてます。
Joy-Conの機能性
まずJoy-Conの凄さは何と言っても、この小さなサイズに驚くほどの機能を乗せている事です。
モーションIRカメラ
センサー部を向ければ物体の距離や形を判別できる。(グーチョキパーの形を認識など)
HD振動
単なる振動ではなくプログラム制御する事で細やかな振動をデザインできる(箱にいくつかボールが入っている感覚、コップに氷が落ちてカラカラ動く感覚など)。家庭用ゲーム機では初の実装。
加速度センサー、ジャイロセンサー
角度、速さなどを認識。(パンチを出した強さと動きを察知など)
NFC
なんとスティック部分で認識します。
もうテクノロジー詰め込みまくり。こんなちっちゃくて軽いコントローラーのどこにそんな技術が詰め込まれているのか驚きしかありません。
そして、Joy-Conの凄さは機能だけではなく、その使用感にも拘られています。
Joy-Conのデザイン性
一人プレイ時携帯モードで持つとこんな配置になりますが、ここで注目すべき点が3点あります。
1.ボタンの大きさ
2.スティックの大きさとボタンとの距離
3.レイアウト
1.ボタンの大きさ。
ABXYボタンは据え置き型のコントローラーより小さく、携帯機と同じサイズになっています。このサイズにした事により、コントローラーとしての大きさをコンパクトにしています。
2.スティックの大きさとボタンとの距離
携帯機と同じボタンサイズですが、スティックはVitaよりやや大きく、またボタンとスティックの距離も適度に離しています。これにより1人プレイ時にVitaよりも操作しやすくなっています。
3.レイアウト
PS4のコントローラーもVitaも、右側のABXYボタンと左右対称になっているのは十字キーです。
ただ、最近はスティックでキャラクター操作をするゲームが多い為、デフォルトポジションが左手だけやや下がり目、右手は上がり目の位置になり持ち方が左右アンバランスになります。
左スティックと右ボタンが水平対象になっているコントローラーと言えばXbox系がありますが、Switchも同様に左スティックとABXYボタンを同じ高さに揃えてあり、左右バランスのいい持ち方が出来ます。
特に携帯モードでは全体の横幅も広くなりますから左右対称にグリップできるこのレイアウトが適しています。実際操作していても非常にしっくりきますね。また右側は親指の腹で右スティックを操作しながらABXYボタンを押すという操作もできる位置関係になっています。
問題は左スティックを上に配置する事で、左側の4つのボタンを左スティックを操作しながら押すことが出来ません。そこで例えばゼルダの伝説ブレスオブザワイルドでは、左のボタンを押すときはゲームプレイが一時ストップするアイテムの切り替えに割り当てられています。
非常に考えられた配置と大きさで、まるで一人プレイを最適化する為に設定されたように見えますが、それだけではありません。
考え抜かれたデザイン
ご存知のとおり、ジョイコンはそれぞれが1コン、2コンというように単独のコントローラーとして機能します。この場合、操作するスティックは左側に、決定するABXYボタンは右側に来る必要がありますよね。またスティックとボタンとの適度な距離感とサイズのバランスも必要です。
そうです。一人プレイ時に優れていると感じた全ての要素が、2人でそれぞれ持つコントローラーとなった時の必要条件に合致しているんです。
二つの操作性を求められつつ、それぞれの特徴がそれぞれにメリットとして還元されている。偶然とも必然とも思えるこのジョイコンの構造は本当によく練られています。
ちなみに2つに分かれたジョイコンの時、片方はスティックが中央に、もう片方はABXYボタンが中央に来ますが、特に操作感に大きな差はありません。正直小さいコントローラーなのでどっちも複雑な操作には向きませんが、簡単なアクションやマリオカートのようなゲームであれば十分だと思います。
とまぁ大絶賛しましたが、もちろん据え置きプレイの時はPS4のデュアルショック(Switchであれば別売りのProコントローラー)の方が操作しやすいと思います。ですが褒めるべきは「絶妙なバランス感」です。コレしかないという落としどころにバチッとハマっている考え抜かれたデザインが本当に凄いんですよね。
じわじわ凄さに気づかせてくれるNintendo Switch恐るべし。です。
ただ、こんなに拘って作れるのに、充電しながら自立させられないUSB端子の配置は何なんでしょう。もちろんドックに挿して充電する為に下部に端子を付けたかったんでしょうけど、そのまんま過ぎて考えが浅いです。こういうところが極端なんですよね。不思議。